ハレバレとニッコリ笑う人生を

日々、考えたことをまとめています。

岡本太郎を乗り越える。

僕は、岡本太郎を敬愛している。

敬愛しているが故に、乗り越えなければならないのだ。

 

僕が岡本太郎に出会ったのは、大学浪人時代。

浪人時代はほとんど友達も作らず、孤独な毎日を送っていたが、

唯一といってもいい息抜きが、予備校帰りに近くの本屋に行くことだった。

 

なんとなく、美術書系のコーナーをフラフラしていたときに「自分の中に毒を持て」が目に止まったのがきっかけだった。

 

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間"を捨てられるか (青春文庫)

 

 

いきなり、ギョロっと、闘志みなぎる目で睨まれた。

ぼくはそれまで「芸術は爆発だ」という言葉と、「太陽の塔」を創った人ということだけしか、岡本太郎についてしらなかった。

 

サブタイトルには

「あなたは”常識人間”を捨てられるか」

とある。

正直、最初は

「うわっ、なんかアブナイ思想持ってる変な人なんだろうな」

と思った。

 

しかし、表紙のギラつく目とにらめっこしていると自然と手が伸びる。

目次をみると、

「一度死んだ人間になれ」「好かれるヤツほどダメになる」「きれいになんて生きてはいけない」「”爆発”の秘密」・・・

など、気になる言葉がいくつも並んでいる。

 

そして最初の一文。

人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。

一気に引き込まれてしまって、夢中で読み進めた。

多分はじめの章くらいを全部夢中で読んでしまったと思う。

すぐ、レジに行って購入して、帰りの電車の中でもむさぼるように読んだ。

 

  • 結果がまずくいこうがいくまいがかまわない。むしろ、まずくいった方が面白いんだと考えて、自分の運命を賭けていけば、いのちがパッとひらくじゃないか。
  • 自分はそういう人間だ。ダメなんだ、と平気で、ストレートに認めること。そんな気の弱いことでどうするーーとクヨクヨしても、気は強くならない。
  • 何をすればよいのか、それがわからない、と言うかもしれない。(中略)ひとに相談したって仕様がない。まずどんなことでもいいからちょっとでも情熱を感じること、惹かれそうなことを無条件にやってみるしかない。(中略)情熱というものは、”何を”なんて条件つきで出てくるもんじゃない、無条件なんだ。

 

スパッと言い切る軽快さ、論理の力強さ、迫力、岡本太郎の人格、岡本太郎のエネルギーがすべてのページに充満していた。

 

岡本太郎は確かに変人だった。

しかし、機智と気品と情熱に溢れた変人だった。

 

ぼくはその日以来、岡本太郎に取り憑かれてしまった。

浪人生活という孤独で不安な毎日を送る中で、また将来どうやって生きようか、とか自意識過剰で悩んでいた自分にとって、岡本太郎は僕のヒーローとなってくれた。

 

無事に入試も突破して大学生となった後も、

何かに悩むたびに「自分の中に毒を持て」を読んだ。

そのたびに、厳しく、そして優しく、背中を押してくれた。

 

青山にある岡本太郎のアトリエや川崎市岡本太郎美術館にも行き、

その他の著作も入手可能なものはほとんど読んだ。

 

大阪の太陽の塔を初めて見たときは感動で震えた。

モノレールの車窓に、いきなり異様な迫力、存在感の太陽の塔が現れる。

「これが、あの太陽の塔か」と。

あまりに存在感がありすぎて、現実感がなかった。白いオバケ。

しかし、太古から存在するかのような、安定感もある。

背中の黒い太陽の顔も抜群にカッコよかった。

 

あまりに好きすぎて、

超合金 太陽の塔のロボ

超合金 太陽の塔のロボ

 

 こんなのも買って部屋に飾っている。

 

 

しかし、である。

岡本太郎を敬愛する人なら、誰でも理解してくれるだろうが、

岡本太郎は好きになってはいけないのだ。

「あら、いいわね」

という言葉が一番嫌いだったような人だから。

 

岡本太郎に寄りかかってしまって、その人の判断でなく、岡本太郎の判断になってしまうことを、彼自身は最も危惧していただろう。

それは「不潔」なことで、「晴れ晴れ」としていないから。

 

また岡本太郎ピカソに多大な影響を受けている。

そのピカソを尊敬して「ははー」と畏まって神棚に祀るようではダメだ、

神棚から引き摺り下ろして、自分が、ピカソを乗り越えなければならない、と闘った。

そして、実際に乗り越えた、と公言している。

www.youtube.com

 

それと同じく、われわれも

岡本太郎を神棚に祀ってはいけない。

引きずりおろし、自分が、岡本太郎にならなければならない。そして乗り越えるのだ。

 

何を言ってるのか、さっぱり分からないかもしれない。

そういう人はぜひ「自分の中に毒を持て」を読むことをオススメする。

 

岡本太郎については、また別の記事を書こうと思っている。

今回はここまで。