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ハレバレとにっこり笑う人生を

日々、考えたことをまとめています。

100グラム1万円するお茶「天下一」を飲んだら、言葉にならないほど衝撃的だった話。

雑記 体験

先日、僕が住んでいる京都に広島から友達が遊びに来てくれたので、京都案内をしていた。

清水寺」とか「金閣」もいいけど、修学旅行とかで行ったしあまりにベタで面白くない。

だったら街中を歩こう、ということになり京都の街中を散歩していた。

 

その途中で、

「そういえば、有名なお茶屋さんがあったな」と思い出し、休憩がてら行くことにした。

 

それが、「一保堂」さんである。

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外観はこんな感じ。

めちゃくちゃ雰囲気が出てるので、一発でわかる。

[http://]

 

地下鉄東西線京都市役所前駅から歩いて5分くらいのところにある。

 

 

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入り口ののれんをくぐると、お茶っ葉を売るところがあり、その場で試飲などもさせてくれる。

奥には実際にお茶を呑むことのできる喫茶店も併設されており、良い香りが充満していた。

玉露や抹茶、煎茶など、さまざまな種類のお茶を呑むことができる。

 

京都案内の休憩、という名目だったが、

この休憩自体もまた京都案内にもなるような、京都感満載の喫茶店である。

なにしろ、「一保堂」さんは1717年創業の老舗なのである。

 

休日で人の出入りも多かったが、幸いにも待つことなくすぐに席に案内してもらった。

カウンター席とテーブル席両方あったが、カウンターに座った。

 

メニューを渡されて、目を通していると、ひときわ目を引くお茶があった。

それが、今回取り上げる、「天下一」である。

お茶っ葉で買おうと思ったら、100グラム1万円するお茶である。

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メニューには一杯600円とか700円、高くてもせいぜい1000円ちょいのものが並ぶ中、この「天下一」だけ2000円と書かれていた。

 

「お茶に2000円か・・・」

 

かなり迷った。

600円のでも充分おいしいだろうし。

 

しかし、どうせなら一番価値のあるものを呑んでみたい!

「本物」のお茶がどういうものなのかを、実際に体験したい!

という想いが勝ち、思い切って「天下一」を注文することにした。

 

結論からいうと、その決断は正しかった。

 

もう、衝撃的だった。

 

お茶を呑んで言葉を失う経験は、20数年の人生で初めての経験だった。

 

 

「天下一」は一杯で2000円かと思っていたのだが、そうではなく、

お茶っ葉を自分で急須に淹れて呑むスタイルなので、5、6杯は楽しむことができる。

つまり、一杯300〜400円ぐらい。

一緒にお茶菓子も出してくれるので、結構お得である。

 

店員さんが、おいしい淹れ方を一から教えてくださって、その通りに淹れた。

お湯の温度や抽出時間、細かく測って淹れるのだ。

 

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写真の様に、湯呑みが4つもあるのは、お湯を移し変えることでお湯の温度を適温にまで下げるためである。

60度が適温だという。意外と低い。

 

お茶っ葉を急須にいれて、60度のお湯を注ぎ、待つこと1分20秒。

良い香りが立ち上る。

 

小さな湯呑みに最後の1滴まで残さずそそぐ。

美しい黄緑色をしていた。

 

そして、最初の一口目。

 

言葉を失う。

 

舌が味の複雑さ、奥行きに追いつかない。

口の中に静かな衝撃が走る。

脳が必死に理解しようとしているのがわかる。

 

しかし、言葉にできない。

kazfumi.hatenablog.com

 

あまりに無言になってしまって、隣で抹茶を飲んでいた友人から笑われてしまった。

 

無言だったが、ぼくの脳内では、不思議な想像をしていた。

 

広大な畳の部屋で障子を前に正座して座っている自分。少し薄暗い。

空気がピンと張りつめていて、ちょっと肌寒い。

背後には掛け軸がかかっていて、「天下一」と太く勢いよく書かれている。

無音で、厳かな空間。

しかし、「天下一」を口に含んだ途端に、

その障子がパッと開き、目の前に美しい風景が広がり、

日が照り、鳥のさえずりや心地よい風、馥郁な空間に豹変する。

「天下一」の掛け軸が風で揺れる。

 

ぼくの「天下一」体験はこのようなイメージだった。

 

これを書いている今も、未だにあの衝撃を舌が覚えている。

 

これは映画一本分以上の価値があったな、と確信している。

2000円なんて、安い。

 

3、40分くらい、じっくり、丁寧に味わい、豊かな時間を過ごすことができた。

極上の時間。

隣の友達は待ちくたびれていたが。(笑)

 

みなさんも、京都散策をする機会があれば、

ぜひ、「一保堂」さんをルートにいれて、お金に余裕があるなら、

いや無くても、映画一本を観るつもりになって、「天下一」を呑んで欲しい。

きっと後悔しないはず。

 

後悔どころか、「おれは日本一の、天下一のお茶を飲んだぞ」と堂々と自慢できる。

たった2000円で。

 

素晴らしい人生体験となることは請け合いだ。

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