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ハレバレとにっこり笑う人生を

日々、考えたことをまとめています。

マルチ商法(新興宗教?)の現場に潜入してきた話。

体験 雑記

先日、 

kazfumi.hatenablog.com

 こんな記事を書いた。

 

そして、最近、こんな記事を書いたぼく自身がビックリするほど、危うくマルチ商法に引っかかりそうになってしまった。

 

その顛末を記しておきたい。

(若干内容は変えてあります。)

似たような被害がでませんように。

 

そもそもの始まり

ある日、ぼくのアルバイト先に、派遣会社から手伝いとして30代の女性がやってきた。その日はバイトの人数が足りなくて、急遽派遣会社に頼らざるをえなかったのだ。

その人はものすごく人当たりの良い人で、接客とかコミュニケーションも上手で、指示もしっかり理解して、いわば、すごくデキる人だった。

 

ぼくはこの人自身はそんなに悪い人ではなかったと思う。

むしろ、柔軟な意見の持ち主でもあり、魅力的ですらあったと思う。

まあおそらくもう関わることはないだろうけれど。

 

この人がきっかけとなって、マルチ商法の現場に行くことになってしまったのだ。

それは、完全にぼくに落ち度がある。

まあ、結果的に、まだなんの被害も出てないし、一種の社会勉強ができたので、面白かったといえば面白かったし、良い経験になったとは思う。

もう二度としたくはないが。

 

その人が派遣としてぼくのバイト先に来た日は、予想したほど忙しくならず、結構暇な時間ができた。

その暇な時間に、その人と雑談していたのだ。

趣味の話になって、ぼくは旅が好きなので、その話をしたら、ものすごく興味を示してくれてかなり話が盛り上がった。

その人も結構旅に行ったことがあるらしく、海外にも結構行っていたようだ。

そして、「私の友達にも旅好きの人が結構いるから、今度よかったら会ってみる?あと世界中旅してた人のトークショーもあるけど来る?」と言われたのだ。

ぼくはまったく警戒せず、むしろ「面白そうな人と出会ってラッキー!」ぐらいにノリノリで「行きます!」と答えてしまった。

楽しみにすらしていた。

 

それが、今回のことだった。

 

マルチ商法の現場の実態

当日は、まずお昼からその女性の友達たちとイベントスペースを貸し切って料理会をすることから始まった。だいたい30人くらい来ていた。

実は、その会場に入った瞬間から、「あれ、ちょっとなんかヤバいかもな」という雰囲気はしていた。

というのも、結構ヤンキーやギャルっぽい人、そして若干病んでそうな人も多かったからだ。

もちろん、普通におとなしそうな人もいたし、

「旅好きな人は結構自由な人が多いんだろうなー。人は見た目じゃないしな」と思い直して、その輪の中に入っていった。

実際話してみると、ぜんぜん悪そうな人はいなくて、むしろフレンドリーだし、

「ああ、良い人たちだ。知り合えてよかったなー」ぐらいに思っていた。

たしかに、旅好きな人が多く、あそこの海が良かった、あの島がおすすめ、などいろいろ教えてもらって楽しかった。

料理会自体も、和気藹々と進み、特に変な食材とかもなく、普通においしかった。

ただ、ときおり、「健康とかに気をつかってる?」と質問された。

まあ、食事会だし、不自然ではない。

普段の食事を気をつける、健康に気を使うというのは当然のことだ。

ただ、やたら聞かれるなーとは思った。

この時点では、それを除けばまだ普通だった。

 

問題はそのあとのトークショーの方だった。

 

食事会の段階から、

「夜のトークショーは来るの?」とやたらと聞かれた。

行きます、と答えると、

「その人(講師)はめちゃくちゃカッコイイし、絶対聞いた方がイイよ!」

みたいに、めちゃくちゃ嬉しそうに語ってくれた。

「おれは、私は、あの人に会って考え方変わったんだよねー」

という感じで、リスペクトされまくっていた。

 

ここらへんも、「あれ、ちょっとヤバいかもな」とは思っていた。

 

なんのトークショーなのかは具体的には聞かされずに、旅の話でもするのかな、と思っていた。それに世界中旅していたぐらいの人なのだから、多少変わった考えも持っているのだろうし、少しくらい怪しくても当然かもな、とも思った。

それだけカッコイイ、すごい!と言われている人なら、話もおもしろいんだろうなーと思って、興味もあった。

 

料理会が終わったあと、ちょっと休憩を挟み、トークショーの会場に行った。

 

料理会には来なかったけど、トークショーを聞きに来る人も結構いて、

100人ぐらい入る会場もほぼ満席だった。

中には遠く県外から来た人もいたらしい。

 

そして、会場で、耳を疑う会話が聞こえてきた。

 

「今日は、どんな神様のお話してくれるんだろうねー?」

 

と。

 

この瞬間、「ああ、おれはヤバいところにきた」と確信した。

 

それですぐ会場を出ればよかったのだけれど、

料理会で下手に仲良くなってしまった人に囲まれていたのもあったし、

「もうここまで来たら、ジャーナリズム的に、どんな話するのか聞いてやろう」と逆に興味もわいてきたので、そのまま聞くことにした。

 

もう、内容が笑っちゃうほどめちゃくちゃだった。

だいたい予想はついていたけれど。

 

颯爽と登壇して、話し始めたのは、確かにカリスマ性のありそうな、イケメン講師ではあった。

 

ただし、内容がもうひどいひどい。

 

なんだ、守護霊って。

江戸時代だかなんだかに死んだ女の子が憑いていて、おれにいまでも色々教えてくれるだ?

ふざけんな。

 

しかも、もっと驚くのは、それを熱心に聞いている聴衆たち。

「え、マジできいてんの?嘘だろ?」と必死に疑ったが、みんな真剣にきいている。

ヤンキーみたいな人も熱心に「ウンウン」とうなずいたり、笑ったりしている。

 

たしかに、その登壇者は若いときに世界中あちこち旅していたし、話し方も、内容を別にすればうまいし面白い。

よく計算してんだろうなーと思った。

しかし、「おい、マジでその話してんの?演技だとしたらすげえよ」という内容しか話さないのだ。

旅先で、すごいパワースポットにいった話、とかそんなんばっかりだった。

あと、守護霊の話。

もし、その人が演技であれをやっていたとするなら、ぼくは素直にすごいと思う。

変な講師なんかさっさと辞めて、俳優を目指した方がいいと思う。

(決して、俳優という職業をバカにしたわけではない、念のため。)

しかし、ぼくの目と耳ではその講師自身も本気で「神様」を信じているらしかった。

そして、聴衆も「へー!」とか「うんうん」とか頷きながら熱心にきいている。

メモを取っている人すらいた。

もう、マルチ商法どころか宗教の世界だった。

講師を見つめる目線が怖かった。

 

たしかに、ぼくも「神様」と呼ばれるような不思議な存在は否定しない。

言葉にできないような、不思議な現象というのもあると思うし、直感とか、良い空気、悪い空気とか、そういうのは別にあって不思議じゃない。

ただし、それをペテンにしてしまうなら、別だ。

健康と絡めて、スピリチュアルな話をする。

人々の不安を煽る。

新興宗教そのものだった。

 

延々、2時間以上、そのめちゃくちゃな話を聞かされた。

途中で退席しようとなんども思ったけど、もしそんなことしたら、何されるかわからないので、必死に耐えた。

 

終わった瞬間、その誘ってくれた女性に

「どう、面白かった?」と聞かれたので、

「あ、ええ、まあ、、、」としか答えられなかった。

その人含め、まわりの人は純粋に、本当に楽しんでいたようだった。

おそらくなんの悪気もなく。

なんの違和感もなく。

逆にすげーなー、と感心してしまうほど。

そういう人たちもいるんだなー、と素直に感心してしまった。

 

アフターパーティーとやらもあったみたいだが、さすがにそこまでジャーナリズム精神もなかったし、いよいよ本当にヤバそうなので、もちろん帰った。必死に帰った。

「帰ります」と伝えたら必死に止められそうだと判断したので、何も言わずに、どさくさに紛れて速攻で会場を出てきた。

 

もう、別次元の世界だった。

 

帰りの電車で少し調べたら、マルチ商法で有名なところがヒットした。

サプリなどを売っている会社らしい。

やたら、「健康とか気をつけてるの?」と聞かれたのはそのためだった。

また、スピリチュアルな話というのも、マルチ商法ではいかに自分のファンを作れるかが全てなので、人々の不安を煽って、自分の熱烈なファンをつくるというのは非常に重要なことになり、そのための道具として使われていた。

その講師は、県外からトークショーに駆けつけるほどのファンも根付いていて、そういう点では大成功している部類だろう。

 

新興宗教の現場、マルチ商法の現場、というのは本当にあるんだな、と確認できた。

学校の授業とかでさんざん「マルチは危ない」「新興宗教には近づくな」と言われていたし、まさか、そんな馬鹿げたところにいくアホはいないだろう、とタカをくくっていたぼく自身が、まんまとその会場に行ってしまったのだ。 

 

「健康」「旅」といった、無難な入り口で、全く自然な入り口で徐々に巻き込んでいく手口なのだな、とわかった。

たしかに「これはマルチ商法です」といわれてホイホイついていくようなバカはいない。

料理会自体もそこまで不自然ではなかったし、来ていた人たちも、若干ヤンキー、ギャルぽい人が目立つけど、フレンドリーで普通に良い人たちだと思った。

確かに怪しい空気も若干あったけれど、「まあ、そういう人もいるし、いろんな価値観があっていいしな」と思って、見過ごしていた。

誕生日占いとか、やたらに盛り上がっていたし、占星術みたいな話題も出ていたし、そこらへんでちょっと怪しいなと感じるぐらいだった。

 

また、怪しげなスピリチュアルな話を本気で信じて、熱心に聞く人たちも本当にいるんだな、ということに驚いた。

そういう人をファンにしてしまえば、たしかに、サプリだろうがなんだろうが絶対売れるし、マルチ商法は確かに儲かるだろうとは思う。

そして、そういうファンを作れるということは、たしかにカリスマ性があると言えるし、頭もいいんだろう。

しかし、もし演技でやっているとしたら、それこそ本当に悪魔だな、と思う。

「しめしめ、またバカなやつが引っかかったな」と心の奥底でニヤついている顔が浮かぶ。

すごい世界があるものだ。

 

もし、スピリチュアルな話が一切でてこなくて、旅の話だけだったら、もしかしたら、ぼくもそのマルチ商法に引っかかっていたかもしれない。アフターパーティーにも行っていたかもしれない。

そう考えると、今回のテーマが「神様」であって本当によかった。

 

マルチ商法、新興宗教は本当に身近にあるんだな、と実感できた1日だった。

今後、気をつけようと思う。